起立性調節障害についての徒然トーク
起立性調節障害の臨床多数のカイロプラクター、ファミリーカイロプラクティック三鷹院院長佃隆の思いを徒然に記します。
起立性調節障害でお悩みの方に、何らかの助けになれば幸いです。
起立性調節障害を改善する目安の期間とは
起立性調節障害の症状のお子様が改善する期間は、当院の臨床データによると、最初の6回のカイロプラクティック施術と姿勢シャキーンケアを受けることで8割以上の方が何らかの改善を感じていらっしゃいますが、本当の意味で体の段階が変わるのには3カ月程度はかかります。
筋肉細胞は2カ月程度、赤血球は3~4か月かけて入れ替わりますので、当然とも思います。
中には、カイロプラクティックの治療を受けた最初の日から、突然やる気が出たというお子さんもいらっしゃいますが、多くの場合は、そうした結果が出るまでには、それ相応の期間が必要です。
よいケアを受け、よい生活習慣を心がけているのなら、結果が出ることを信じて、忍耐、待つことが必要です。
親御さんはじめ、ご本人が1日でも早く元の学校の生活に行きたいという気持ちもよく分かります。
朝起きれない、朝起きても保健室登校で、出席日数も気になってきて、進級できるのか、進学できるのか、ご心配なことでしょう。
進学したとしても、小学校、中学校の義務教育ならある程度出席日数も甘くみてくれたとしても、高校となると寛容にというわけにはいかなくなってきます。
遠方の高校だと通学が大変だから近くの高校に引っ越すのか、はたまた、通信制高校に行くことを考えるのか。
中学、高校を卒業したとしても、きちんと仕事ができるのか、一人立ちしていくことができるのか、悩みは尽きません。
ただ、現状のお子様の状態を親として理解し、信頼できる先生が見つかったなら、少なくとも3か月は話を理解し、実践することをお勧めします。
3か月経っても何の変化も見られない、ということでしたら、その時はケアの方法が原因に対して合っているのか、担当の先生と相談することは大事でしょう。
起立性調節障害のクライアントの対応上で、気を付けること
治療院にしても、病院にしても、スクールカウンセラーにしても、それぞれの先生は、それぞれの専門性があります。
そもそも、その先生方の勉強したバックグラウンドが違う場合もありますし、それぞれの治療法の哲学、ひいていは健康の哲学、人生の哲学が違う事も出てきます。
これは起立性調節障害に限定した話ではありませんが、一般の病気と異なるのは、これは親御さんであるあなた自身の体調ではなく、お子様という別個人の体調についてだということです。
治療を受けるのはお子様であり、治療のお金を出すことは親御さんでありますが、治療について理解を深めるのはお子様と親御さんの双方です。
カウンセリングの時間も通常の一人のクライアントよりも、起立性調節障害のクライアントの場合は、時間がかかります。
親御さんとお子様ご本人の理解レベルを合わせていく調整が必要だからです。
そもそも、起きている状態が続くと、起立性調節障害の方の多くは、集中力が続かず、途中からあくびを始めることも多いです。
あくびが出るのは、体が酸素を欲することであり、それ自体はいいことなんですが、それを親御さんが頭ごなしに叱る場合もあります。
そんな時、私は「あくびをしてもいいんですよ、それは体が欲しているのですから、ただ、礼儀として口を抑えることはお勧めします、というように伝えます。
当院ではまだ理解がある院だとは思いますが、そうした態度を嫌う医療関係者の方がいるのもまた事実ですので、最低限のマナーは身に着けておいたほうが無難でしょう。
起立性調節障害に加えて、発達障害の疑いのあるお子様の場合は、そもそも人とコミュニケーションが苦手なケースも多いです。
親御さんはお子様のリズムを理解してお話するので、お子様も話をするのですが、初めての施設で、お子様が大人と対話をするというのは、それなりに緊張もするし、ストレスもかかることですし、言葉選びも大変です。
当院では、初回でお子様や、親御さんのリズムを感じとり、出来る限り合わせるよう心がけています。
というのも、当院にはミッションの中に、「目の前の患者に全力を尽くす。より多くの患者に貢献する。」というものがあります。
1日1人だけを対応する、ということであれば、時間に余裕はできるのですが、現実は、既にたくさんのクライアントの予約がびっちりと埋まっています。
より多くのクライアントのサポートもしたいという気持ちがあるので、ある程度で時間を区切らないといけないというのが現実です。
そこで、初回来院の際は延長料金は基本的には設けていませんが、必要に応じて、2回目以降もお話に時間がかかると判断した場合には、延長料金として、10分3,000円+消費税を頂戴することにしています。
この文章を書いている間にも、続々と起立性調節障害や起立性調節障害かもしれない、という初回ご予約のご連絡をいただいています。
NPO子供の姿勢をよくする会を立ち上げた思い
NPO子供の姿勢をよくする会を2011年に立ち上げて、はや8年。
今、子供たちが危ない、と思って目の前の子供たち一人ひとり、というより一家族ごとに向き合ってきましたが、昨今のインターネットの波及の甲斐もあり、益々多くの方からの問い合わせをいただくようになりました。
自分自身の小学生、中学生のころには、起立性調節障害という病名は一般的ではありませんでした。
でも、ある日突然朝起きれなかったり、冬の間だけは体調がずっと優れず、成績もがた落ちになるというのは、やはり原因があったのだなと今では確信しています。
私の場合は、運のよいことに、中学3年生の時にカイロプラクティックに出会い、人生が好転しましたが、あの頃に比べて、子供たちは成長するための環境はむしろ悪くなっているようにも感じています。
医師ではない私が、カイロプラクティック哲学をもとに、カイロプラクターとして、NPO子供の姿勢をよくする会の代表として、私自身が声を大にしていかないといけないという使命感に駆られています。
改めて、なぜ私が子供のころからあこがれていた医師の道は選択肢から外したかというと、自分の体は仮にブラックジャック先生(手塚治虫先生著)でも治せない体だと、子供ながらに悟った中学生の時からです。
それよりも、自分自身がもっと輝ける世界をと思って、国連に入りたいと思って国連英検を受験したり、英語を勉強したり、筑紫哲也さんのようなアンカーパーソン的な存在になりたくてアナウンス部に入ったり、やがてはICU(国際基督教大学)にも入学することができました。
ただ、自分の健康がこんなに危ういものだと本当の意味で知ったのは、カイロプラクティックの道に進んで、カイロプラクティック大学で学んでからになります。
医療哲学とカイロプラクティック哲学の違いをまざまざと知り、臨床の中でも日本の医療システムについて学び、ICU医療関係者の会の代表となったり、他の医療コミュニティにも積極的に参加し、医療という世界についても知る機会を得ました。
そうこうしているうちに、カイロプラクティックをもっと真剣に広めたい、やがてはカイロプラクティック大学もつくりたい、という思いは益々強まり、まずは自院を成長させ、仲間の治療院の発展のサポートもするようになりました。
親御さん&お子様&担当カイロプラクターの認識を揃える重要性
クライアントにより良いケアを提供するには、そのクライアントのバックグラウンドを知り、親御さんとお子様ご本人の認識を把握し、何をもってよくなるという定義を一緒に決めることが大事です。
親御さんは深刻に悩んでいるのに、お子様はそれほど大変なこととは思っておらずにかぜをひいたからその内治るだろうぐらいに思っているケースもあります。
また、ある時は、お子様は深刻に悩んでいるのに、親御さんは他の事に優先順位があり、お子様自身の生活態度が悪いということばかりを訴えたり、そもそもそこまで起立性調節障害のレベルを軽視したりしているケースもあります。
現状の認識を、お子様、親御さん、私どもカイロプラクターとが一緒になることが、スタートラインに立つことです。
いかにしてこの認識を揃えるか、もしくはギャップがあるとしたらどういう点なのかを知る必要があります。
それ以外にもお子様は、勉強をたくさんするタイプなのか、運動をたくさんするタイプなのか、楽観的なのか悲観的なのか、家族にも同様の症状のある方がいらっしゃるのか、聞くことは山ほどあります。
起立性調節障害や、起立性低血圧の症状で悩んでいたお子様やご家族が日々たくさん来院されますが、一人ひとり、一家族ひと家族にそれぞれのご事情があり、日々、模索しながら進めている段階です。
最後に
そんな毎日を過ごしていますが、よくなったお子様たちが朝日と共に起きられるようになったり、起きたい時間に起きられるようになったり、授業やクラブに参加できるようになったり、無事に試験を受けられたり、進級できたり、休みの日にも遊びに行くことができるようになったり、家族で海外旅行に行けるようになったり、というお話を伺うたびに、ああやってきてよかった、と感じ、スタッフとその喜びのストーリーを分かち合い、過ごしています。
私や美香副院長自身も悩んできて、カイロプラクティックに起立性調節障害でお悩みの方は、ごまんといらっしゃいますが、まだまだ悩んでいる方に届けたい手を届けられていない現状があります。
試行錯誤の毎日ですが、これからもスタッフ一同で精進を続けたいと思います。
ファミリーカイロプラクティック三鷹院
院長 佃 隆