起立性調節障害(OD)のお子さんの多くに、「昔からくすぐったがりなんです」という方が多いです。
これは、知覚過敏や、知覚異常と判断されます。
悪い姿勢だと、関節がずれ、神経を干渉するので、通常の状態でも神経に刺激が入っている状態になります。
すると、通常だと皮膚に指が触れたという程度の感覚ですが、もともと神経に刺激が入っていると過敏な状態になっているのでくすぐったいという感覚になってしまいます。
そもそも、「痛い」という感覚と「くすぐったい」という感覚は、神経の構造上、非常に近い感覚です。
子どもの時に神経障害が起きると「くすぐったい」と感じる場所は、大人になる「痛い」や「しびれ」の感覚になることがあります。
検査の時に、普通に背骨に触れただけでもくすぐったがるのは、大人だと100人に数人で、通常のお子さんだと1~2割程度ですが、ODのお子さんだと半分近くが過剰にくすぐったくなります。
大人になると、くすぐったいという官学を感じる方は、1%程度です。
ただし、子どもの時はくすぐったがるというのは、なんとなくは知られているものの、特にそうした論文は出ていないようです。
ですので、あくまで臨床的に知り得た事実です。
検査時にお子さんがくすぐったがったとしても、どうぞ怒らないであげてくださいませ。
ご本人は意図せず、とにかく、くすぐったい場合があるのです。
ちなみに、「くすぐったい」以外にも、「かゆい」と表現するお子さんも一定数いらっしゃいます。
「くすぐったい」「かゆい」「痛い」というのは、子ども時代は特に混在しがちな感覚です。
お子さんによっては、「くすぐった痛い」「痛くすぐったい」「かゆ痛い」「痛がゆい」と表現するケースもあります。
問題なのは、カイロプラクティック施術を行う時に、首に触れただけでくすぐったくて体がよじれてしまうお子さんがいることです。
そうした場合には、安全性を考えると、無理に首の施術を行うことができないので、背中や骨盤の施術を続け、さらには栄養指導や睡眠指導を優先的に行う場合もあります。
ODのお子さんの症状のメカニズムや、その治療方法はまだまだこれかれと言われています。
臨床の現場で分かったことをできる限りシェアしていき、三鷹まで通えない方にもお役に立てましたら幸いです。
ファミリーカイロプラクティック三鷹院
院長 佃 隆